決して忘れないリメイク。教会音楽用電子オルガンと那須高原いげたや
忘れられない出来事ってありますよね。
大切すぎて、印象深すぎて忘れられない出来事、なぜだか分からないのになんだか忘れられない出来事や食べ物、今日はそんななんだか不思議なセットで脳裏に強烈に焼きついている思い出のお話です。
きっかけはお客様から「教会音楽用の電子オルガンをライティングデスクにリメイクできないだろうかと考えています。」というお客様のメールからでした。
「もう音は悪くて使用できる状態ではありませんが、昔、父が大枚はたいて買ってくれた大切な思い出がある楽器です。」というお客様の言葉を聞いて「ぜひお応えしたい…！！」そうやってはじまった特別なリメイクの案件でした。
しかもこのオルガン、1979年製でなんと僕と同い年なんです。これまた特別な運命を感じずにはいられない偶然。
そんな特別な思い出深いリメイクのお仕事があったのですが、今日はちょっと違う側面からのお話しです。
工房の職人のみんなも本当に苦労してなんとか作り上げたリメイク、仕上がりも抜群。お客様に早く見せたくてウキウキしていました。
でもその前にも大切な納品が数件あり、朝早くからいっぱい頑張ったこともあってお腹はぺこぺこ。
そこでお客様宅に納品に行く前に遅めのお昼をとることにしました。
だだっ広い駐車場を備えた昔懐かしい感じの平屋の建物。
開いているかどうかちょっと不安になる感じだけどきっと開いてるんだろうな、という感じの佇まい。同じくお腹ぺこぺこのユリマタタとお店に入ったのでした。
頼んだのはラーメン定食、ラーメンとチャーハンがセットになった定番のアレです。
自慢じゃないけど、いや自慢だけど、日本全国でラーメンもチャーハンも食べまくってる僕です。ちょっとやそっとのことじゃ驚きはしません。
届いたのは普通のラーメンとチャーハン、見た目も普通、普通に美味しそう、普通にお腹すいた。普通にいただきます。
美味しかった。普通に美味しかった。「ごちそうさまでした〜」とお店を出て、そのまま忘れていました。
そして渾身のリメイクをしたオルガンの納品を終えました。最高の時間でした。
そしてそれから数ヶ月経った今、不思議な現象が起きています。
「あのラーメン定食が食べたい…」
なぜかは分かりません。普通に美味しかったけど、普通に美味しいお店はたくさん行っています。また近くに行く機会があれば寄りたいな、と思うお店がいっぱいあります。
そんなお店のひとつでした。ひとつの筈でした、「那須高原いげたや」さん。でもなんだか今無性にあれが食べたい。
いますぐ高速に乗って那須高原まで走っていげたやのラーメンとチャーハンの定食が食べたい！！なぜかそう思うのです。
きっと特別なリメイクの思い出と脳がセットになって認識しているのかもしれません。きっとそうですね。
人間の脳も感情もとても不思議です。些細なことの筈がとても大切な思い出になったり、一生忘れなかったり。
今回も特別な絶対忘れられない大切なオルガンのリメイクと共に、那須高原いげたやさんの思い出ができました。ありがとうございます。
「家具作りたいおっさん」阪井
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